旧作7泊8日メモ

映画の忘備録

ウエストワールド (シーズン1)

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虚構空間で曝け出す自分は本物なのか?

★★★★★★★★★(9)

 

西部劇の世界を体験出来るっていう

リアルなアミューズメントパークにおいて

来訪者はその世界の住人であるアンドロイド相手に

早撃ちガンマンになってもいいし

恋愛に明け暮れても良い。

またはアウトローになって

淫乱の限り、残虐の限りを尽くしても良い。

 

殺され陵辱されたアンドロイドは

修理され、記憶を消されて

また園に戻され

いつもの日常を送る無間地獄

そんな中で

自我を持ち、記憶を抹消されない

アンドロイドたちが現れて

日常に疑問を持ち出すという

 

ブレードランナーなどに共通するような

アンドロイドの悲哀や人間の自分探し。

深いドラマです。

 

ちなみに

日本でも

ロリコンゲームや

バイオレンスゲームなどの仮想空間で

ゲーマーが悪の限りを尽くすようなゲームってありますが

あれって「ゲームの中だから犯罪じゃないよね?」

「それがリアル犯罪の抑止力になるよね??」

なんて認識かと思いますが

その仮想空間がもしこのドラマの設定のように

現実と識別出来ないほどのリアルだったら

それも仮想空間だから犯しても殺してもOKだよね?

となる・・・のかな?

なんて考えさせられました。

 

 

 

そんな作品の状況設定が素晴らしいので

それだけで内容が深いわけなのですが

その中で展開される物語がまた素晴らしい。

全編通じて脚本がジョナサン・ノーランなので

見る側がついつい騙されてしまう。

彼の脚本はメメントに代表されるように時間軸のレトリック。

アメドラにありがちな回収するつもりもない

謎多き展開ではなく

物語の伏線は結末にきちんと回収していく。

そしてシーズン1の中だけで1つの作品となり

完結されていてる。

1時間×10本なので

流石に間延びする箇所も僅かながらにあるが

無駄なエピソードがなくよく出来ている

 

シーズン2は来月公開されるという話。

多少残った謎に挑むのか

新たなエピソードに挑むのが?

プロットが素晴らしいので

いくらでも作れるように思う。

 

娼婦のマダムを演じる

タンディ・ニュートン

ミッション:インポッシブル2のヒロインも

年輪を重ね、味のある演技で登場。

そして一糸まとわぬ真っ裸で覚悟の熱演しています。

 

サントラはサウンドガーデンレディオヘッドなどの

オルタナティブなロックを

ストリングスやピアノで

スローにエモーショナルに聴かせていて

斬新。

 

名作ドラマではないでしょうか?

 

(2016アメリカ)