旧作7泊8日メモ

映画の忘備録

インターステラー

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ノーラン兄弟の真骨頂

総 合★★★★★★★★★★(10)

満足度★★★★★★★★★★(10)

 

クリストファー・ノーラン監督による2014年のSF大傑作

2時間40分と長いのだが長さを感じない。

かれこれ4回観ている。

ノーラン兄弟の真骨頂ともいえる時間軸のレトリックをSF時空トリップという世界でいかんなく発揮している。

 

難を言えば相対性理論や物理学理論やらのウンチクが長いことと

 

ただそんなこと些細な事として許容できてしまうほど全体がよくできているし

ゴタクが理解出来なくても内容が伝わる。

 

見終わるとハミルトンの時計が欲しくなる。

ハミルトンの腕時計が映画と提携してて、

インターステラモデルとしても販売されているし

同じ形が既存である(HAMILTON カーキ64615135)

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 ところが、それは左のお父さんの付けてるモデルであって

劇中で活躍するのはマーフにあげる右のシンプルなモデル

そちらが欲しいが同じものが見当たらない。

出せばいいのに。

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(2014 アメリカ)

 

 

 

 

 

羅生門

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黒澤明のセンスが光る

総 合★★★★★★★★★★(10)

満足度★★★★★★★★★☆(9)

 

 国内では公開当初評判にならず

ヴェネチアでグランプリの金獅子賞を日本作品として初めて受賞して

はじめてその良さに国内が沸き立ったという作品。

 

古い映画であるが随所に今みてもモダンな作り。

森の中をカメラと並走して歩くシーンや草の中をブレブレで走るカメラワーク。

白洲での取り締まりの代官を写さず参考人だけが一人喋りしていく演劇的な演出。

 殺人事件の参考人の4人の証言がでれも異なり

どれが正しいなど映画の中では答えは示さない構成。

 

 

エバーグリーンな名画であることは疑いの余地なく

観はじめたらノンストップで朝まで観てしまった。

 

先日アメリカでTVドラマ化されるというニュースを見た。

現代劇で全10回で参考人は10人いて全員食い違うらしい。

それってツインピークスじゃん。と思ったり。

 

(1950年 日本)

 

羅生門 デジタル完全版

羅生門 デジタル完全版

 

 

 

 

トゥルー・グリット

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勇気ある堅物少女の復讐冒険物語

総 合★★★★★★★★★☆(9)

満足度★★★★★★★★★★(10)

 

 

コーエン兄弟監督、製作、脚本による2010年のアメリカ映画。

スピルバーグ製作総指揮。

1969年のジョン・ウェイン主演の西部劇『勇気ある追跡』をリメイク

 

リメイクというより

原作のチャールズ・ポーティスの小説を

映画化したものとコーエン兄弟が語っている。

 

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コーエン兄弟の他作品とは違いヒネリは少なく

あえて正統派な演出による西部劇。

 

アメリカ開拓史に眩しいようなノスタルジアとリスペクトが払われている。

裁判や罰則制度や身分制度や差別問題、宗教、アメリカが切り開いてきた

たくさんの問題を賛美することも批判することもなく

淡々と物語に織り込んである。

 

物語は父を殺された14歳の少女の復讐劇。

堅物で理論的で

俗世な女性的魅力に欠ける少女の冒険劇、

終わってみれば儚い恋愛物語でもある。

 

 

素晴らしい作品。

 

鑑賞後ライムスター宇多丸氏の解説が

YouTubeにあるので観てみたところ

 小説まで読み込んで

細部を解説しててとても勉強になった

 

 

2010 アメリカ)

 

 

トゥルー・グリット (字幕版)
 

 

 

ヒストリー・オブ・バイオレンス

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アメコミをクローネンバーグが描く

総 合★★★★★★★☆☆(7)

満足度★★★★★★★★☆☆(8)

 

アメリカの評論家から絶賛され、

『ローリング・ストーン』誌の20051位に選ばれた作品。

トロント映画批評家協会賞 作品賞

シカゴ映画批評家協会賞 監督賞

全米映画批評家協会賞 監督賞

他受賞多数

 

 

原作はグラフィックノベルであり

弱気庶民が実はスーパーな過去を持つ男という設定

 

いかにもアメコミにありがちな設定だが

それをクローネンバーグが手がけると

妙に重厚感と変化球感が出ている。

 

 

(以下少しネタバレ)

 

 

ただそのクローネンバーグ異質テイストは

その先になにかあるのか?

という歪んだ展開を期待してしまうが

そんな展開もなく意外に拍子抜け。

 

これで完結してるのけ???

とアングリなってしまった。

ただストーリーを考えるときちんと完結している。

演出的に大団円感がないのでそう感じてしまうだけだが。

 

性描写がエグく、SEXシーンをネットリ見せて

そのエグさが物語に効いてくるのかと思ってたら

そんな関係ないし。単純に長いSEXシーン描きましたという感じ。

 

主人公がなぜ庶民を選択してるのか?という

核心的な部分にもあまり触れていない。

 

ただし

物語は単純に面白い。

謎も多く飽きることなく一気に見られる。

 クローネンバークの作品にしては娯楽的に見られる。

 

2005 アメリカ・カナダ

 

 

 

 

 

 

スキャナーズ

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グロイが面白い

総 合★★★★★★★★☆(8)

満足度★★★★★★★★★★(10)

 

1981年のカナダの映画。

デヴィッド・クローネンバーグ監督の出世作

アマゾンプライム2013年のリマスター版ありで

映像は現在のもののように鮮明になっている。

 

81年当時は頭が吹き飛ぶとか

血管が破裂するとか

グロシーンがセンセーショナルで

怖いもの見たさのスプラッター的であり

パーティームービーみたいな

見られ方すらしてた。

 

ただ、娯楽作品として圧倒的に面白い。

特殊能力を持った正義漢という設定は

今のX-MENHEROS

なんら変わらない単純な勧善懲悪であり

それに肉付けされてこの映画が金字塔たる所以は

やっぱり

血管グニョブニョ頭ドカンなのだろう。

 

よくも悪くも「癖(ヘキ)」を作品にするクローネンバーグなのだが

ヴィデオドローム Videodrome 1983年)は変態すぎて

面白いのだがキモチワルイ。

デッドゾーン The Dead Zone 1983年)はサイコー。)

クラッシュ Crash 1996年)で癖を作品性を結実させ最高に面白いのだが

やはり気持ちわるい。

そう言いながらクローネンバーグ大好き

 

(1981 カナダ)

 

 

 

 

カットバンク

 

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田舎と狂気

総 合★★★★★★★☆☆(7)

満足度★★★★★★★★★☆(9)

 

若者が田舎町を出るために

懸賞金目当ての狂言殺人をでっち上げるんだけど

そこに無垢なサイコパスが絡んできてしまい

計画が破綻してリアル殺人事件へと発展していってしまう。

 

良く出来た脚本なんだけど

完璧な計画に不測を招く要素として

サイコパスを使うと

なんでもアリになるかも。

 

とはいえ良く出来た物語。

結末は意外性もあって秀逸。

全体的にアメリカの田舎町の

鬱屈した空気感がよく出ている。

 

アメリカの田舎町は表面的には平穏で牧歌的なのに

各々が武装してる矛盾と狂気を孕んでる。

 

ファーゴみたいだなぁ

ということと

テレビドラマみたいな演出だなぁ

ということを感じたのだが

見事にファーゴのテレビドラマの監督さんの劇場作品でした。

 

ジョンマルコビッチ演じる保安官は

死体を見ただけで吐いてしまうような気弱な保安官。

そんな彼が育った町を一人で守る。

そこには「シェーン」や「真昼の決闘」のような

閉ざされた田舎での逃げられない使命のような西部劇的なものがある。

それはコーエン兄弟の「ノーカントリー」にも通ずる。。。

監督は

コーエン兄弟のフォロワーなのかな?

 

ついでに言うと

サイコパスのダービーが

彼のみが知り得るノスタルジックな絵を

3Dに完全再現しようと固執するくだりは

「バートンフィンク」と似てなくもない・・・

それは勘ぐりすぎか。

 

 

(2014 アメリカ)

 

 

カットバンク(字幕版)

カットバンク(字幕版)

 

 

ボヘミアン・ラプソディ

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LIVE AIDに泣く

総 合★★★★★★☆☆☆(6)

満足度★★★★★★★★★★(10)

 

恋愛や親子愛や伝記など、物語を見せつつ

最後にライブエイドでの大爆発という構成が大成功している。

ライブエイドの再現度へのこだわりがハンパない。

バンドメンバーの一挙手一投足

後からYouTubeで実際の映像を確認しても完璧。

映画は雑だし人間の感情みたいなものがおざなりで

強引に伝記としての物語が進んで行くんだけど

そんなことを音楽の素晴らしさが吹き飛ばしてくれるような作品。

ライブエイドで泣いて

エンドロールのテロップにDONT STOP ME NOWのPVが流れるのだけど

そんなことでまた泣いた。

人間映画としてでなく

ロック映画として着地しているところがGOOD!

 

 

(2018 イギリス・アメリカ)

 

 

ボヘミアン・ラプソディ

ボヘミアン・ラプソディ