旧作7泊8日メモ

映画の忘備録

凶悪

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 ひたすら重く

★★★★★★★★★★ (10)

 

実話を元に作られている。

ピエール瀧リリーフランキー演じる凶悪犯と

それを追う週刊誌記者の山田孝之

山田の病的に事件にのめり込む様子と

彼の家庭を通すことで

凶悪事件を傍観者としてでなく観るもの全てに

問いかけるような。

 

過去と現在の切り替えを、

凝った演出でなおかつ自然に。

構成の力が見事で

流れるように物語は進む。

 

エログロシーンがエグいのでR15指定。

苦手な人も多いと思う。

 ただし必然性のあるシーンである。

 

苦しむおじいちゃん

スタンガンや電気線でショック与えて

そのリアクションみて

爆笑してる凶悪犯たちの異常性を見て

「異常ではあるけどこの笑いって

日本のお笑いの図式であるし

笑ってるのはオレたちと同じ感覚じゃない?」

と思えてきたりもした。

 

陰湿な空気感とリアルな描写は

日活やぴあなど日本映画が培ってきた伝統だったのだが

90年代くらいから軽く安易な娯楽作やアニメに座を奪われ

香港や韓国ノワールに完全に追い抜かれてる感じだが

これは本領発揮というところ。

配給が日活というところも王道。

 

主演3人の演技もすごい。

リリー・フランキーの演技は迫真。

気持ちの揺るぎのないサイコパスを見事に演じている。

すごい映画だと思う。

 

 

劇中に出てくる

事件の公表にシブシブ踏み切る

女性編集長のモデルってこの人。

そんな社会的な報道に関わったことが

ある人とは知りませんでした

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監督:白石和彌

出演:

山田孝之

ピエール瀧

リリー・フランキー

(2013)

 

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