旧作7泊8日メモ

映画の忘備録

シャイニング

f:id:jimmys_nooker:20191220010504j:plain

 

半密室劇の金字塔

 

総 合★★★★★★★★★★(10

満足度★★★★★★★★★★(10)

 

呪われたホテルの物語という側面と
文章が書けない作家が
狂っちゃった物語という側面がある。

そこに予知能力を持った少年が絡まったり。

スティーブン・キングらしい
B級感あるアメリカンなホラー。

 

霊が住み着くホテルという物語においては
怨念の霊ではなく
パリピな人たちがその楽しく
輝かしいノスタルジーに住み着いてる感じ。

文章が書けない作家が狂うという設定は
悩めるスティーブン・キング自虐といった感じで
ユーモアに満ちている。

映画はシンプルで動きや登場人物も少ないが
余分がそぎ落とされテンポが良く飽きる箇所がない。

 三輪車と同じ目線でホテルを走り回る映像は

今でこそスタビライザーが当たり前だが

当時は画期的であり、今見ても古さを感じない。

 

映画のポスターはキューブリック監督が

大御所ソール・バスに

何案も考えさせリテイクさせた挙句

結局採用せず映画の場面シーンである

ジャック・ニコルソンの顔を使っている。

今思うと60年代テイストのソール・バスに

80年になんて無茶振りをしてたのだろうという感じ。

f:id:jimmys_nooker:20191220010459j:plain

 

(1980アメリカ)

 

 

 

 

 

 

西遊記~はじまりのはじまり~

f:id:jimmys_nooker:20191203024932j:plain


周星馳天才

 

総 合★★★★★★☆☆☆☆(6

満足度★★★★★★★★☆☆(8)

 

チャウ・シンチーしかできない

独特の間とセンス

 

それがエキセントリックだったり冗長だったりで

ついていけないところも多々あるが

それでもオンリーワンな表現を全面に出すというのは凄い。

1993年度中国興収1

地獄の黙示録

f:id:jimmys_nooker:20191128232606j:plain

今見ても撮影が凄い。
そして意外にユルい。

 

総 合★★★★★★★★☆☆(8

満足度★★★★★★★☆☆☆(7)

 

 

まず凄いところは

撮影のスケールと迫力が凄いです。

 

ヤシの木の原生林焼き払ったり

村丸々1コセット作って焼き払ったり

橋1コ壊したり

一歩間違うと大事故の本物のヘリをたくさん使って

低空飛行の地上戦撮ったり

牛一頭その場で首を落としたり。

まぁスケールが大きい。

ただ倫理的に今は許されないだろう。

 

物語はジャングル奥地に帝国をつくってしまった

グリーンベレー大佐を主人公のマイケルダグラスが暗殺しに行く道中で

いろんな苦難にあうというもの。

ハリウッド映画のひと時の異次元体験アミューズメントもの。

ベトナム戦地を欧米人からみたオリエンタルに脚色している。

 

「戦争の狂気を描く」みたいな言われようであるが

リアリティには欠ける狂気と地獄になっている。

反戦映画でもない。

ジャングルの中の花火のような美しい夜戦や

バニーガールのショーや未開の地での襲撃など

シュールで不思議な異世界体験。

 

通常版の他に完全版があって

完全版は主人公の彼女との回想録や

バニーガールたちのその後の地獄、

カーツ帝国のその後も一瞬写っているが

どれも物語には大切ではないので通常版で十分。

 

正直名画と言われている割には

意外にユルイ。

 

 

(1979 アメリカ)

 

クラッシュ

f:id:jimmys_nooker:20191115080621j:plain


f:id:jimmys_nooker:20191115080624j:plain


重く暗く悲しい物語だが
全編に愛がある。

 

総 合★★★★★★★★★★(10

満足度★★★★★★★★★★(10)

 

ライオンズゲート製作らしく

くらーい質感。

とても入り組んだ脚本を

簡単に分かりやすく見せている。

LAを舞台に

多様な人種が生む差別や憎悪や人間愛。

 

差別主義者の警官役の

マット・ディロンがいい。

80年代アウトサイダーランブルフィッシュ

ジェームス・ディーン再来みたいな扱いだったけど

その後聞かなくなり

ここで人格俳優として再脚光!

と思ったらその後はまた潜ってしまってるけど。

 

ブロークバックマウンテンが当時は大騒ぎで

アカデミー賞本命とされたけど

これが掻っ攫っていった。

それだけの作品ではある。

全編暗く悲しみに満ち満ちてはいるが

愛がある。

特に多様な人種社会のアメリカ人には染みるだろう。

 

(2005年アメリカ)

ハート・ロッカー

f:id:jimmys_nooker:20191114212254j:plain


イラク戦争を体感出来る
アミューズメントムービー

 

総 合★★★★★★★☆☆☆(7

満足度★★★★★★☆☆☆☆(6)

 

イラク戦争下のバグダッド郊外。アメリカ軍の危険物処理班の話。

題材が良い。

爆弾が爆発しちゃいそうなヒヤヒヤが常につきまとう。

 

ラストサムライアメリカ人の視点で

侍の世界に迷い込んで冒険する話。

アバターは異星人の世界に迷い込み冒険する話。

スターウォーズ銀河戦争に迷い込み冒険する話。

 

そういったハリウッド映画の

アミューズメント的な感覚で

イラク戦争の爆弾処理班体感できますよ的ムービー。

 

まだ時代がイラク戦争直後で

ホットな題材だっただけに

アカデミー作品賞まで獲ったと思うんだけど

今見るとそこまでの作品でもないようには思う

 

(2008 アメリカ)

 

 

アメリカン・スナイパー

f:id:jimmys_nooker:20191108085536j:plain

 

淡々と英雄の日常を描く

 

総 合★★★★★★★★★☆(9

満足度★★★★★★★★★★(10)

 

イラクで160人を射殺した
伝説のスナイパーの自伝の映画化。

淡々と彼の生涯を描くわけだが
全く退屈しない。
スナイパーvsスナイパーみたいな
西部劇的娯楽も入れられ
流石はイーストウッド

アメリカのイラク侵攻を批判的に描いているわけでもなく
後押ししてるわけでもない。

一番重要に描かれているのは
やったやられたによる暴力の応酬。
英雄視される裏側に蝕まれていく精神。

淡々と狂気が描かれている。

 

(2014 米)

 

 

 

64 ロクヨン

f:id:jimmys_nooker:20191105154156j:plainf:id:jimmys_nooker:20191105154150j:plain


俳優陣の演技力が凄い

 

総 合★★★★★★★★☆☆(8

満足度★★★★★★★★☆☆(8)

 

横山秀夫による小説の映画化
タバコで煙たい昭和64年〜平成中頃までの
空気感の再現がよくできている。

役者陣の白熱のやりとりが迫力がある。
佐藤浩市永瀬正敏三浦友和瑛太記者クラブ
名優揃い。

ただ結末が少しではあるが冗長だと感じた。
映画は原作と違いその部分を
オリジナルで付け足してあると知って納得。

(2016年 日本)