旧作7泊8日メモ

映画の忘備録

関ヶ原

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これぞ我が正義

 

総 合★★★★★★(6)

満足度★★★★★★★★(8)

 

 

司馬遼太郎関ヶ原」の映画化

キャストは名優揃いなので

戦国好きの下地がある人には楽しめるのでは。

自分などはその辺さっぱりなので

登場人物が入れ替わり立ち替わり出てきて

前半は物語に入れなかった。

 

現実的には石田三成

秀吉の意思は継がないといけないので

皆が野心的で政局見て利己的に動くのに

筋を通した損な役回りの人だったんだなぁ。

と、

石田三成という人に

とても興味を抱くようになった。

 

旗や衣装が美しく

美術が秀逸

(2017 日本)

 

関ヶ原 Blu-ray 通常版

関ヶ原 Blu-ray 通常版

 

 

 

用心棒

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昭和喜劇+流れ者ウェスタ

 

総 合★★★★★★★★★(9)

満足度★★★★★★★★★★(10)

 

 

痛快時代劇というのは

バッサバッサと切り倒すものなのだが

それだとリアリティに乏しい。

これは痛快とリアルが共存した時代劇。

 

悪人たちとヒーローが戦う図式は定番だが

悪人どうしを焚き付けて戦わせて

消耗しきったところをヒーローが戦うという捻ったところがポイント。

 

西部劇に大いに影響を受けている。

セルジオ・レオーネにリメイクされイタリア西部劇「荒野の用心棒」となる

荒野の用心棒は極東の島国の時代劇パクっても誰にも分からんだろうと

たかをくくってクレジットなどされていないが

捻った台本は避けられずパクッてるので

公開後に原作料やら払うはめになった。

 

 

 

 

(1961 日本)

 

用心棒[東宝DVD名作セレクション]

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この世界の片隅に

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名もなき庶民の昭和史

 

総 合★★★★★★★★★(9)

満足度★★★★★★★★★(9)

 

 

庶民の歴史ドラマとしても見られるし

ほんわか女性奮闘記とも見れるし

恋愛映画としても見られる。

みる人が好きな見方が出来る。

根底には戦争の理不尽や残酷が描かれているが

決して押しつけがましいものではない。

 

国の戦争に疑問も持たず

貧乏にも腕を無くしてまでも

両親兄弟を失くしても

不満を言うこともなく

淡々と生きる。

そんな主人公すずが玉音放送を聞いて

「最後の1人まで戦うんじゃなかったのか?

ここに5人残っている!まだ左手も両足もある!」

という

壮絶なセリフをはく。

 

現代とは違う価値観なのに

全編に漂うリアルさと迫力。

 

こうの史代の原作と合わせ

取材や時代考証

しっかりしてるからこそのリアリティ

 

 

 

その後街に太極旗が掲げられるのを見て

泣き崩れて独白するシーン

 

「自分は海の向こうから来た

米や大豆で出来ているから

暴力に屈しないといけないのか」

 というのが

 「ハテ?」

 と、違和感を感じた。

まぁ流れで観られてしまうから

いいのだけど・・・

 

なんで???

 

ググったらすぐわかった

そこ原作から脚色しちゃってるのです。

原作は

「他国を暴力で従えていたから

この国は暴力に屈するのか」

 

 それなら解せるし

その方が圧倒的に収まるのに

ハードすぎるってことですかね?

そこ脚色しちゃったらわけわからんと

思いました。ちょっとした残念。

そのクライマックスのズッコケがなければ。。。

 

 

 

1番の成功は「のん」のキャスティング。

彼女の柔らかい空気感が全体をフワッとさせて

尚且つ現代的でもあり

この作品を成功に導いている。天才。

 

アニメをしっかり描くところと崩した絵で描く箇所を入れたり

演出も面白い。特に爆弾で腕を失うシーンの無音と暗転と

落書きのような崩した演出も。

 

素晴らしい映画。

最後のテロップで

これがクラウドファウンディングで作られてることに驚いた。

やはりこれだけ良質な作品は

通常の映画制作の道筋では作れないのかしら?

 

 (2016 日本)

この世界の片隅に

この世界の片隅に

 

 

 

 

 

 

エスケープ・フロム・L.A.

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スネークウェェェーイ!

 

総 合★★★★★★☆☆☆☆(6)

満足度★★★★★★★☆☆☆(7)

 

 

近未来SFの名作『ニューヨーク1997』の続編。

1981年制作の『ニューヨーク1997』の続編を

1996年に撮ったというので

もう続編というよりオマージュといった作品。

 

これが当時不評で

N.Y.1997ファンは大いにズッコケタ。

その後カート・ラッセル演じる

スネーク・プリスキンを語る上でも

あまり引用されない作品になった。

 

が、が、

 

今見返すとそんなに悪くない。

期待しすぎた故にコケルけど

時が経つと再評価される傾向にあるヤツ。

 

思えばストーン・ローゼズ

大ブレークした1STアルバムから

5年もの月日を空けてリリースしたセカンドアルバムは

失望と酷評の嵐だった。

でも時を経てみると今や名盤扱い。

 

 

これはそこまでではないにしろ

B級然としててなかなか面白いです。

 

スネークを楽しむパーティームービーといいますか。

オバカを全力シリアスで作りきるN.Y.1997パターンではなく

オマージュを楽しむ感じ。 

悪くないです。

 

そしてダメダメな脚本であろうと

誰かが見ていて

こんな作品がジャッキー・ブラウンに繋がり

グラインドハウスに繋がったのかなぁと思うと

やり通すことが次代に繋がるのかなぁと考思います。

 

そして以下ネタバレではありますが・・・

 

スネークが最後に選択する

アメリカの敵国のエネルギーを無力化するではなく

全世界のエネルギーを無力化する

ワールドコード666は

究極のピースなのではないかと思います。

 

ゼイリブといい、

ジョン・カーペンター

ファシズムや統制社会を憂う現代ヒッピーなのかなぁ

と思いました。

 

 

エスケープ・フロム・L.A. [DVD]

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日本で一番悪い奴ら

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史上最悪の警察不正だが時代が追い抜いちゃった

総 合★★★★★★★★☆☆(8)

満足度★★★★★★★★★☆(9)

 

 

北海道警裏金事件、稲葉事件を元にした物語。

監督は「凶悪」の白石和彌
日活ロマンポルノのような
タバコと汗が混ざったようなドロッとした
演出はさすが。

まず綾野剛の熱演がすごい。
イキがってるが気が弱い主人公の
30年を見事に演じていて
まさに体当たりの演技という感じ

舞台が1990年代から2000年初頭、
そして2016年制作の映画。
現在2019年・・・

現実社会は
政治家による口利きや裏金、
忖度による利益誘導
書類改竄、
統計不正、
警察への介入で逮捕もみ消し。

状況証拠は真っ黒でも
誰一人として責任を取らない
やりたい放題。
完全に政治の底が抜けている。
悲しいかな映画の道警の不正など
かわいいものに感じてしまい
タイトルに偽りあり
とまで思えてしまう。

 

とはいえ

一本筋が通った良い映画。

 

日本映画ってドラマのスピンオフや漫画の実写など

商業的なものも多い中、

これだけ魅せられて筋も通った良作があることは

素晴らしい。 

 

(2016 日本)

 

 

日本で一番悪い奴ら

日本で一番悪い奴ら

 

 

LOOP/ループ-時に囚われた男-

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低予算だけど秀逸

総 合★★★★★★★★☆☆(8)

満足度★★★★★★★★★☆(9)

 

ネタバレ注意

 

原題HUROK

ハンガリー発のSFスリラー

なんか斬新なものを見た感じ。

現代劇だけどSF。

主人公はタイムループを繰り返してて

そこから抜けるべくがんばるのだが

そのループの中に過去の自分が存在してしまってるというのが

イムループ物語としては破綻してるのだけど

その破綻が面白いように思う。

最後はその2人の主人公が戦うとかね。

 

なぜタイムループに巻き込まれてるのか

説明がないのも面白い。

主人公はバイオ麻薬の売人であり薬の持ち逃げを狙う野心家。

もしかしてこの一連のループは

単純にラリった幻覚かもしれないという憶測にも及べる。

フィリップ・K・ディックが得意とする手法、

現実と幻覚の境い目ない混在パターンに図らずもなってたり。

 

インディーズのフィルムフェスタで

大ネタのアイデア

最後まで突っ走る新人作家の出世作的な作品。

 

2016 ハンガリー

 

 

 

 

 

 

 

清須会議

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心理戦劇

総 合★★★★★★★☆☆☆(7)

満足度★★★★★★★★☆☆(8)

 

 清須会議という難しい人間関係の抗争劇も

三谷幸喜が手がけると

こんな面白いものに化けるのね。

 

狡猾で人懐っこい豊臣秀吉役の大泉洋

男気あって朴訥で脇が甘い柴田勝家役の役所広司

W主演。どちらの演技も最高。

出演者全員のキャラ立てが凄く全員が魅力的。

 

 

2013年 日本