旧作7泊8日メモ

映画の忘備録

スターウォーズ フォースの覚醒

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 ルーカスなきスターウォーズ

★★★★★★☆(6)

 ディズニーがルーカスフィルムを買収して

作った初のシリーズ作品・エピソード7。

ルーカスが完全に外れたことにより

欧米人的な東洋思想や哲学思想が弱くなり

フォースのナンチャラ的な

語りの多さもなくなって

全体的に観やすくなった気がする。

惑星タコダナで戦うハンソロとチューバッカを
救出に来た宇宙船から降りてきたのはレイア姫とC3-PO
共に初老になった
ハンソロとレイア姫の再会シーンが
なんともエモいです。
燃え上がってキスシーンなどあるんではないかという
雰囲気でしたがハグ程度でした。
 

特撮的にも完成の域に達したのではないかと

思えるクォリティの高さ。

 

(2015年 アメリカ)

 

 

 

 

インセプション

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 ルール説明多し

★★★★★★★(7)

 

夢に潜ってアイデアを盗む

という設定なのだが

 

複雑な構成故

ルール説明みたいなセリフが

多くなってしまっているのが残念。

クリストファー・ノーランらしいっちゃらしい

 

無重力空間の廊下での乱闘シーンは

どう撮ったのかしら?と思える

映像のアイデア

現実と夢の世界の時間の流れの違いを使った演出、

(たった1分の夢でも夢の中では数時間分の体験をする感覚)

 

とても凝っています。

凝りすぎて作品レベルとしては

昇華出来てないのかもですが

野心的な作品

 

(2010年アメリカ)

監督:クリストファー・ノーラン

 

 

 

ウエストワールド (シーズン1)

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虚構空間で曝け出す自分は本物なのか?

★★★★★★★★★(9)

 

西部劇の世界を体験出来るっていう

リアルなアミューズメントパークにおいて

来訪者はその世界の住人であるアンドロイド相手に

早撃ちガンマンになってもいいし

恋愛に明け暮れても良い。

またはアウトローになって

淫乱の限り、残虐の限りを尽くしても良い。

 

殺され陵辱されたアンドロイドは

修理され、記憶を消されて

また園に戻され

いつもの日常を送る無間地獄

そんな中で

自我を持ち、記憶を抹消されない

アンドロイドたちが現れて

日常に疑問を持ち出すという

 

ブレードランナーなどに共通するような

アンドロイドの悲哀や人間の自分探し。

深いドラマです。

 

ちなみに

日本でも

ロリコンゲームや

バイオレンスゲームなどの仮想空間で

ゲーマーが悪の限りを尽くすようなゲームってありますが

あれって「ゲームの中だから犯罪じゃないよね?」

「それがリアル犯罪の抑止力になるよね??」

なんて認識かと思いますが

その仮想空間がもしこのドラマの設定のように

現実と識別出来ないほどのリアルだったら

それも仮想空間だから犯しても殺してもOKだよね?

となる・・・のかな?

なんて考えさせられました。

 

 

 

そんな作品の状況設定が素晴らしいので

それだけで内容が深いわけなのですが

その中で展開される物語がまた素晴らしい。

全編通じて脚本がジョナサン・ノーランなので

見る側がついつい騙されてしまう。

彼の脚本はメメントに代表されるように時間軸のレトリック。

アメドラにありがちな回収するつもりもない

謎多き展開ではなく

物語の伏線は結末にきちんと回収していく。

そしてシーズン1の中だけで1つの作品となり

完結されていてる。

1時間×10本なので

流石に間延びする箇所も僅かながらにあるが

無駄なエピソードがなくよく出来ている

 

シーズン2は来月公開されるという話。

多少残った謎に挑むのか

新たなエピソードに挑むのが?

プロットが素晴らしいので

いくらでも作れるように思う。

 

娼婦のマダムを演じる

タンディ・ニュートン

ミッション:インポッシブル2のヒロインも

年輪を重ね、味のある演技で登場。

そして一糸まとわぬ真っ裸で覚悟の熱演しています。

 

サントラはサウンドガーデンレディオヘッドなどの

オルタナティブなロックを

ストリングスやピアノで

スローにエモーショナルに聴かせていて

斬新。

 

名作ドラマではないでしょうか?

 

(2016アメリカ)

 

 

 

高い城の男(シーズン1)

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延々謎かけ見せられてるような

★★★★★★(6)

 

アメドラは起承転結の

「承」の部分を何話も延々見せられて

人気ある限り続くのが苦手。

 

見ちゃうんだけどね。

 

 

これは言わずもがなディックの代表作の映像化。

ディックの映像化作品は全部見てる身としては

ドラマといえども見ねば!と思い

シーズン1を全部見たんだけど

「承」のまま終わった。

 

 

舞台は原作と同様、

第二次世界大戦に日本に負けたアメリカ。

そして合衆国はナチスと日本で

分割統治されているという

アメリカ人のディストピア

 

物語は原作とは丸々違う。

裏切ったり裏切られたりの

人間劇の繰り返しで

誰が味方で敵かわからなくなる。

 

アメドラによくある

ジェットコースターのような展開なのだが

奇しくも現実と虚構の境目がわからなくなる

ディックワールドと相性が良いのではないか?

とも思えてくる。

 

制作総指揮のクレジットに

リドリー・スコット

裸のガンを持つ男の

デヴィッド・ズッカーが

併記されてるのが

世代的になんともエモイ。

 

物語の中の憲兵隊の刑事・木戸大尉を演じる

ジョエル・ラ・エ・フエンテ (Joel de la Fuente)

という役者さんの演技は怖さも悲哀も兼ね備えて

とても良かった

 

 

シーズン1は謎だらけで終わるが

シーズン2を見るか迷う。

どうせドラマに時間を使うなら

エストワールドはずっと見たかったので

そちらにしようかなぁ

 

(2015年アメリカ)

21g

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難解だが意義ある編集

★★★★★★★★ (8)

 

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

出世作になるのでしょうか。

開始30分弱まったくストーリーが見えない

難解な編集と伏線。

 

イニャリトゥの次作バベルも同じように

関係性のない人たちの人生が結びつくような構成であるし

交通事故のクラッシュも短編が結びつく編集だし

メメントみたいに時間軸を遡る編集もあるんだけど

どれとも違って時間軸をぐちゃぐちゃにしてるので

物語は難解に難解に。

ただし複雑な編集方式だからこそ

物語の偶然性を強調することになって

効果を発揮している

 

ショーン・ペンベニチオ・デル・トロの演技は最高。

人生の悲哀感がすごい。

 

これがバードマンという名作に結びつくわけで

イニャリトゥ天才だなと。

 

 

監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

出演

ショーン・ペン

ナオミ・ワッツ

ベニチオ・デル・トロ 

(2003年)

21グラム [Blu-ray]

21グラム [Blu-ray]

 

 

 

 

メメント

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エッジ効きまくり

★★★★★★★★★ (9)

 

2001年の単館公開時にとても話題で

観てみたもののイマイチピンとこなくて

その後DVDが出て観たときは

公開時より衝撃だった。

またつい観てしまった。

 

妻を殺されたショックで10分しか

記憶が持たない主人公が

苦心しながら犯人を探す復讐劇

 

時間軸逆に現在から過去に物語は進む。

複雑な構成だけど

パターンを理解してしまえば

コンガラガッたりしない。

やや緊張感がなくなる箇所も

観終わると大切な伏線が隠れていたりするので

一度観て全容を把握してからもう一度観ると

更に理解が深まる。

 

 

(以下ネタバレ)

 

 

 

記憶が保てない

気の毒な主人公の無垢な復讐劇だが

 

物語の最後には無垢な立場は悪意に逆転する

復讐は果たしても忘れてしまうので

また犯人探しが始まってしまう。

妻の復讐が自分の存在意義であるので

延々謎解きをしては無罪の犯人を突き止め

復讐をはたしてしまうという孕みを

持たせてあるところがすごい

 

 

そんなに予算が

かけられていないと思うんだけど

イデアひとつで

こんなにも面白いものが

作れてしまうのねというもの。

 

日本企画のキービジュアルが

オリジナルより良いと思える珍しい例

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監督 クリストファー・ノーラン

出演

ガイ・ピアース

キャリー=アン・モス

ジョー・パントリアーノ

 

 

メメント [Blu-ray]

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フライトゲーム

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謎解きが綿密

★★★★★★★☆ (7)

 

 

筋書きが読めない。

細かく起こるエピソードの

一つ一つにも裏をかく展開が上手く

そのエピソードがきちんと繋がっている。

アメドラのような

コマ切なエピソードの寄せ集めではなく

繋がっているのはすごい。

 

そして飽きる事なく最後まで観る事が出来る。

密室劇なのにスピード感もある。

よくできてる。

「ノンストップ」という原題だが

「フライトゲーム」という邦題も秀逸

 

ハイジャックものって

1つのジャンルではあるけど 

最近は少ない気が。

野心的な作品

 

 

監督 ジャウム・コレット=セラ

出演 リーアム・ニーソンジュリアン・ムーア

 

フライト・ゲーム スペシャル・プライス [Blu-ray]

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