アイズ ワイド シャット
夢オチではないが夢オチのような
★★★★★★★★★☆(9)
個人的満足度(10)
かれこれ20年前の公開なのに
大好きなキューブリックの遺作なのに
夫婦間のSEXにまつわる秘め事的な映画と決めつけて
興味なく見てなかったんだけど、
当たらずも遠からずなんだが
意外にも面白かった。
以下ネタバレ
けん怠期が始まろうという夫婦の
奥さんは夫の浮気を疑い(浮気してない)
夫は奥さんから話された妄想での浮気(浮気してない)に嫉妬し
その嫉妬から破天荒を試みるもどうもうまくいかず
最後に泣きながら奥さんに全てを告白して
奥さんから我々に今必要なのは「ファック」
という言葉で
幕を閉じる。
ザックリはこんな物語なのだが
映画の見せ場は秘密の乱交パーティーへの
トムクルーズの潜入/からの危機。
デカダンスでスリリングな展開もありつつなんだが
終ってみれば、「必要なのはファック」を言いたいがためと思える
2時間半という大作。
巨匠キューブリックの遺作の最後の言葉がFUCK。
キューブリックらしくてとても良い最後だった。
物語とは関係無いけど
欧米の不倫の感覚って
もう少し軽くて開放的なのかな?と思っていたんだけど
意外に純情で、秘め事として片付けないで
浮気をしたら夫婦契約解消も厭わず。
といった己れと制度への厳しさを感じて、
欧米での驚異の離婚率というのは
結婚に対する意識が軽いという単純なものではなく
制度を裏切らないという
逆に真摯であり重いのかなという印象を受けました。
美しいニコール・キッドマンの
脱ぎっぷりと妄想SEXシーンが
いさぎよすぎ。
(1999 イギリス・アメリカ)