旧作7泊8日メモ

映画の忘備録

マザー!

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監督は楽しいだろうが…

★★★★★★(6)

個人的満足度(6)

 

以下ネタバレ!

 

MY HOME ラブな低血圧そうな草食若妻の家に

かましい一家が舞い込んで

かましさの限りを尽くすことから始まり

そのエピソードがエスカレートするパターンかと思ったら

そこは一段落。

その後旦那の詩が大当たりしてファナティックな民衆が

家に押しかけて前にも増して厚かまし

熱狂はエスカレートして

旦那は神格化され生まれてきた赤ちゃんさえ

民衆の欲望の為の生贄となり

若妻大爆発して

全てを焼き払って終了。

でもそれは

旦那の手のひらの中のエピソードでしか

なかったというような話。

 

聖書の世界を家に置き換えて表現してると言われる。

旦那が神で妻が地球

創世記から始まり

まず厚かましい男性が現れ、その後厚かましい女性が現れ

身勝手な子供達が仲違いをする。

アダムとイブからカインとアベルを匂わせる。

愚かさから家を水浸しにしてしまうのはノアの方舟であり 

民衆のエゴの犠牲となる赤ちゃんがキリストであり

最後は黙示録の如く炎で焼き払われる

 

などなど言われるが・・・

 

ただ監督がこれやりたかったんだろうなぁといった感じ。

だからとてつもなく凄いものではあるけど

聖書の知的遊びは抜いて考えて

前知識なく見た場合に共感を得られるとすると

 

ゲスト達(人)の身勝手な行動から

ホスト(神)の狼狽に共感・・・

なのかな?

共感も難しく

ポカーンとしてしまうかも。

 自分がそうだったし。

 

 

赤ちゃんの肉を食べるというシーンから

日本では公開が中止になった作品。

キリスト教では神の肉を食べるということは尊いことで

聖餐式に教会で神の肉(パン)、神の血(赤ワイン)を食すというのは

身近な行為であるのでこの表現は単純なカニバリズムではなく

宗教的な表現であり比喩であるゆえに必ずしもNGではなかろうが

日本的な感覚からするとブットビますしトラウマになります。

 

ポスターのメインビジュアルも

美しいパステル調のイラストなのに

心臓をくり抜いてるというコントラストの強さが

意図するところなのに

日本版は顔だけトリミングして

心臓消してるので何が何やら分からないビジュアルになってて

日本何やってんだろ?という感じ。

 

なかなかお茶の間感覚では

受け入れられない作品です。

 

 

 

 

(2017 アメリカ)

 

マザー! (字幕版)

マザー! (字幕版)