ノーカントリー
「あれれ?」な幕切れ。
★★★★★★★★★★★(10)
個人的満足度(10)
名画には違いなく緊張感溢れる映画なのですが
ラストは「あれれ?」という幕切れ。
劇場公開時にも同じ気持ちになったことを
見返して鮮明に思い出した。
2つの見方が出来る。
娯楽性高い殺人鬼からの逃亡・追跡記。
もう一つは物語の隅々に登場する
暴力の前になすすべなく
屈する善良な人々の憂い。
タイトルの「それは老いたる者たちの国ではない」のごとく
老いるに伴い不条理であろうとも
「力」の前には屈するしかないといった内容でもある。
それがトミーリージョーンズの長尺ボヤキであり
ゴミ屋敷に住む廃人のような元保安官の叔父のシュールな語りである。
鑑賞後のモヤモヤや余韻がすごい。
想像の余地がないくらい
事細かに見せるサービス精神満載の
「ショーシャンクの空に」の
対極にある感じ
しかしコーエン兄弟の映画にハズレはないなぁ
(2007 アメリカ R15)