当時は斬新であったであろう新西部劇
総 合★★★★★★★★★☆(9)
満足度★★★★★★★★★☆(9)
1953年の作品にして
同時期の西部劇とはレベル違いの作品。
とても沢山の要素を無理なく自然にまとめ上げている
ヒーロー、決闘、速撃ち、友情、叶わぬ愛、西部開拓史、
先人への畏敬、銃社会の是非。。。
その多くは否定も肯定もせず淡々と描かれている。
アメリカ開拓民が
シャイアンから土地を奪うも
その後は自らの民族間で奪い合い。
国を二分する内戦もあり疑心暗鬼に陥り
法は届かず
暴力がものいう社会。
警察を呼ぼうにも隣町から3日かかるから
自警するしかない。「銃」はなくてはならない道具となり
自警は権利として存在する。
アメリカの現在がよくわかる映画。
暗部は照し出しつつも
先人の努力に最大のリスペクトも示す。
映画の構成も面白い。
西部劇の大切なファクターである
正義のヒーローだったり決闘だったりは
物語の中心にきちんと押さえられている。
しかし登場するヒロインは友の妻であり
その子は自らを慕うというトリッキー。
演出もヒステリックなシーンは子供の煩さや
馬や牛の煩さでバイアスをかけて演出したり
とても現代的。
名画と呼ぶにふさわしい。
(1953年 アメリカ)