旧作7泊8日メモ

映画の忘備録

シェーン

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当時は斬新であったであろう新西部劇

 

総 合★★★★★★★★★☆(9

満足度★★★★★★★★★☆(9)

 

1953年の作品にして

同時期の西部劇とはレベル違いの作品。

 

とても沢山の要素を無理なく自然にまとめ上げている

ヒーロー、決闘、速撃ち、友情、叶わぬ愛、西部開拓史、

先人への畏敬、銃社会の是非。。。

その多くは否定も肯定もせず淡々と描かれている。

 

アメリカ開拓民が

シャイアンから土地を奪うも

その後は自らの民族間で奪い合い。

国を二分する内戦もあり疑心暗鬼に陥り

法は届かず

暴力がものいう社会。

警察を呼ぼうにも隣町から3日かかるから

自警するしかない。「銃」はなくてはならない道具となり

自警は権利として存在する。

 

アメリカの現在がよくわかる映画。

暗部は照し出しつつも

先人の努力に最大のリスペクトも示す。

 

 

映画の構成も面白い。

西部劇の大切なファクターである

正義のヒーローだったり決闘だったりは

物語の中心にきちんと押さえられている。

 

しかし登場するヒロインは友の妻であり

その子は自らを慕うというトリッキー。

演出もヒステリックなシーンは子供の煩さや

馬や牛の煩さでバイアスをかけて演出したり

とても現代的。

 

名画と呼ぶにふさわしい。

(1953年 アメリカ)

 

シェーン(字幕版)

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  • メディア: Prime Video
 

 

 

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シェーン [DVD]

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真昼の決闘

 

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当時は斬新であったであろう新西部劇

 

総 合★★★★★★☆☆☆☆☆(6

満足度★★★★★★★☆☆☆(7)

 

原題: High Noon、1952年製作のアメリカ映画。

フレッド・ジンネマン監督による西部劇。

それまでの西部劇では、

主役は無敵のヒーローとして描くのが普通であったが、

暴力を恐れる普通の人間として描かれていることが最大の特徴。

この映画以降、西部劇の主人公の描き方は劇的に変わっていった。

上映時間は85分、

劇中内における時間経過も85分のリアルタイム劇

 

未だにアメリカ映画協会が選ぶ名作ランキングベスト100に入るものであり

映画の歴史的にはマイルストーン的名作ではある。が、

 

物語は主人公の初老保安官がかつて逮捕した悪漢が

街に復讐に戻ってくるので

迎え撃つというというものなのだが

街の人たちは騒動を敬遠して保安官には街から逃げろと言う。

 

悪漢が戻ると街が悪くなるかとか

保安官が街を救いただとか

そういったものではなく

逃げるのが騎士道に反するからとか

追いかけられてるのが個人的に困るからというのが

決闘の理由。

 

そんな「???」でも

時間進行がリアルタイム劇ゆえに

寸劇のようにテキパキ進んでいく。

 

結婚の相手は親子程年齢が離れた美女だし

決闘の大義も利己的だし

良くも悪くも人間的な主人公(笑)

 

全般に斬新ではあるが

さすがに古い映画だなぁといった感じ。

 

 

(1952年 アメリカ)

 

真昼の決闘 [DVD]

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真昼の決闘(字幕版)

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  • メディア: Prime Video
 

 

抜き射ち二挺拳銃

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ドン・シーゲル監督の初西部劇

 

総 合★★★☆☆☆☆☆☆☆☆(3

満足度★★★★★★★☆☆☆(7)

 

こういう作品が

気軽に見られるなんてアマゾンプライム素晴らしい。

 

1952年の作品

上映時間なんと1時間17分。

そんな短いのに入り組んだサスペンス要素も入れてるので

人間描写などあったものではなく

心の声を使ったりナレーションを使ったりで

面倒なとこは説明で賄う。

見所としては乗馬戦闘シーン。

猛スピードでカメラを馬と並走させるカットは

現代アクションの礎という感じがする。

ダーティーハリーの20年前はこんなことをしてたのね。

 

Duel at Silver Creekが原題で

シルバークリークの決闘という題名なのだろうが

なぜ二挺拳銃という邦題なのかが謎。

二挺拳銃のシーンなどなく

当時の邦題は客呼び込めれば軽い嘘もアリなのかな。

物語はゴールドラッシュ時のカリフォルニアで

金鉱の権利を奪い取る悪党一味に

保安官が立ち向かう。

早撃ちの保安官が怪我の後遺症で

右手で銃を撃てないことを隠して

助手と共闘する。

というものだが

途中バンバン撃ち合うシーンで普通に右手で撃ってて

物語自体も細かいこと言うなといった感じ。

52年の映画でカラー映画は売り文句だったみたい。

日本公開は1959年、当時のアメリカとの封切りの時間差凄い。

 

 

1952年 アメリカ)

 

抜き射ち二挺拳銃 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
  • 発売日: 2011/02/22
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抜き射ち二挺拳銃(字幕版)

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巨匠たちのハリウッド ドン・シーゲル傑作選 DVD-BOX

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  • 出版社/メーカー: ブロードウェイ
  • 発売日: 2012/06/02
  • メディア: DVD
 

 

ミスト  THE MIST

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普通じゃないB級ホラー

 

総 合★★☆☆☆☆☆☆☆☆(2

満足度★★★★★★★☆☆☆(7)


最初はザ・フォッグのオマージュかリメイクと勘違いして観始めた。

冒頭「遊星からの物体X」のポスターの模写が出てきたから

それを疑わなかったんだが、あれよあれよと

ヘンテコな映画が展開されなんと2時間オーバー。

80年代のテレ東の昼の枠に放送されてるB級ムービー調。

そういうのは嫌いじゃない。むしろ好き。

ツッコミどころが多すぎて語れる映画。

主人公がちょっとヘンな選択ばかりする作品なのである。

普通大衆が閉じ込められるパニックものは

主人公は皆が助かるように努力するものだが

この主人公は分断を選ぶ。ヤバい連中は置き去りにして

食料持って自分の賛同者と抜け駆けして

自分たちだけが助かる方法を選ぶあたり、普通じゃない。

薬など必要な場面ではないのに薬を探しに危ない外出をして

犠牲者を出したり・・・

そしてブラックジョークなようなエンディングを迎える。

もうどうなっちゃってんだ?

スティーブン・キングの原作だけに

普通ではない。

嫌いじゃない。

ただ一般論としては見るに値しないものかとおもう。


監督・脚本はフランク・ダラボンであり、過去にキング原作の『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』を手がける。ほんと凡才な人だと思うが
キングに気に入られてるんだろうな。

 

(2007年アメリカ)

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(エピソード8)

 

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洗練された映像美

 

総 合★★★★★☆☆☆☆☆(5

満足度★★★★★☆☆☆☆☆(5)

 

演出は天才の集うハリウッドらしく美しい。
最高指導者スノークの赤い司令室で
レンVSレイが繰り広げるチャンバラや
石の惑星クレイトでの赤い塩を巻き上げる戦いなど
全編において美しい。

本筋においては
本来のダメなスターウォーズに戻った感じ。
散らかった展開に
冗長なチャンバラやアメリカ的東洋思想。
それに加えてハリウッドのトレンドである
登場人物のシリアスなシーンでもゴキゲンな振る舞いと
人種やジェンダーへの均一な配慮が入ったことで
人間描写がほぼなくなった。

これで本来完結すると言われた9作を終えた。
かつて初期3部作の頃、
壮大なスペースオペラの完結は20○×年と言われ
遥かな未来と感じていたが
遥かなる未来はやってきた。
しかし物語は収まるどころか
なにをもって物語が終わりなのか
よくわからなくなってきた。

現状では
ルーク・スカイウォーカーはヨボヨボで
ハンソロは物語の中で亡くなり
レイア姫はキャリーフィッシャーが実際に亡くなり
既にカオス。

 

一応42年に渡る物語の歴史がついに完結!
と称して「スターウォーズ エピソード9
スカイウォーカーの夜明け」が本日から公開された。
とはいえ
キャラが確立され、ディズニーの傘下になったのだから
物語は延々続くのだろう。

 

(2017 アメリカ)
 

 

 

ゴッドファーザー PART II

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続編だがパワーが落ちないレアケース

 

総 合★★★★★★★★★★(10

満足度★★★★★★★★★★(10)

 

第一作でコルレオーネ・ファミリーを継承したマイケル・コルレオーネのその後を描くと同時に、若かりし頃のヴィトー・コルレオーネが力を手にして浮上していく様を丁寧に描き出す。

 

ヴィトー・コルレオーネはドン・ジョバンニのような

街のなんでも屋さんから更に相談役へのし上がった歴史がよくわかる。

 

マイケル・コルレオーネはもう合法企業すれすれまで

のし上がっている過程で

真面目でファミリーを愛するがそのファミリーさえも

時には裏切り裏切られないといけないシリアスな奮闘記。

アルパチーノは真面目で真面目すぎるから掟には冷徹な演技に徹している。

 

戦後アメリカのマイノリティーへの恐怖や畏敬は

「イタリアンマフィア」(ゴッドファーザー)~「ヒスパニック系マフィア」(スカーフェイス)~「チャイニーズマフィア」(チャイニーズドラゴン)~「日本の経済ヤクザ」(ライジングサン)~「中国の経済ヤクザ」(バットマンなどなど)~映画と歴史がリンクしてきたように思う。

 

 

若きヴィトー・コルレオーネを演じたロバート・デ・ニーロはコレガ

出世作、この後タクシードライバーニューヨーク・ニューヨークディア・ハンターレイジング・ブル

と名作が続く。

 

シリーズものがPart1,Part2共にアカデミー作品賞獲ったのは

これだけ。

 

(1974 アメリカ)

ゴッドファーザー

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こわ悲しい名作

 

総 合★★★★★★★★★★(10

満足度★★★★★★★★★★(10)

 

コッポラ唯一の?不朽の名作。
NYマフィアの物語であり
コルレオーネファミリーの歴史を描きつつ
架空とはいえない史実とリンクさせつつ
マイノリティが団結してのし上がっていく物語を描く。

イタリアの移民が成り上がる

キラキラしたノスタルジーと共に描く。
イタリア移民はみんな泣いちゃうんじゃないだろうか。
音楽もたまらん

脚本の素晴らしさを
淡々としつつもテンポよく映像化している。
PART1とPART2はワンセットとして見ることができる。

(1972 アメリカ)