前作から27年。
ドえらい作品になって帰還。
総 合★★★★★★★★★★(10)
満足度★★★★★★★★★★(10)
物語など単純すぎて
ただの追いかけっこ。
説明もセリフも少なく
ただただ逃げて追いかける。
それなのにこんなに魅せるって
最高。
見せ場は逃亡直後の砂嵐に入るまでの
カーチェイス。
前作から27年経過してて
同じ監督で
桁違いに面白くなって帰ってくるなんて
奇跡的。
(2015 オーストラリア/アメリカ)
昭和喜劇+流れ者ウェスタン
総 合★★★★★★★★★☆(9)
満足度★★★★★★★★★★(10)
痛快時代劇というのは
バッサバッサと切り倒すものなのだが
それだとリアリティに乏しい。
これは痛快とリアルが共存した時代劇。
悪人たちとヒーローが戦う図式は定番だが
悪人どうしを焚き付けて戦わせて
消耗しきったところをヒーローが戦うという捻ったところがポイント。
西部劇に大いに影響を受けている。
セルジオ・レオーネにリメイクされイタリア西部劇「荒野の用心棒」となる
荒野の用心棒は極東の島国の時代劇パクっても誰にも分からんだろうと
たかをくくってクレジットなどされていないが
捻った台本は避けられずパクッてるので
公開後に原作料やら払うはめになった。
(1961 日本)
荒野の用心棒 完全版 製作50周年Blu-rayコレクターズ・エディション
名もなき庶民の昭和史
総 合★★★★★★★★★☆(9)
満足度★★★★★★★★★☆(9)
庶民の歴史ドラマとしても見られるし
ほんわか女性奮闘記とも見れるし
恋愛映画としても見られる。
みる人が好きな見方が出来る。
根底には戦争の理不尽や残酷が描かれているが
決して押しつけがましいものではない。
国の戦争に疑問も持たず
貧乏にも腕を無くしてまでも
両親兄弟を失くしても
不満を言うこともなく
淡々と生きる。
そんな主人公すずが玉音放送を聞いて
「最後の1人まで戦うんじゃなかったのか?
ここに5人残っている!まだ左手も両足もある!」
という
壮絶なセリフをはく。
現代とは違う価値観なのに
全編に漂うリアルさと迫力。
こうの史代の原作と合わせ
取材や時代考証も
しっかりしてるからこそのリアリティ
その後街に太極旗が掲げられるのを見て
泣き崩れて独白するシーン
「自分は海の向こうから来た
米や大豆で出来ているから
暴力に屈しないといけないのか」
というのが
「ハテ?」
と、違和感を感じた。
まぁ流れで観られてしまうから
いいのだけど・・・
なんで???
ググったらすぐわかった
そこ原作から脚色しちゃってるのです。
原作は
「他国を暴力で従えていたから
この国は暴力に屈するのか」
それなら解せるし
その方が圧倒的に収まるのに
ハードすぎるってことですかね?
そこ脚色しちゃったらわけわからんと
思いました。ちょっとした残念。
そのクライマックスのズッコケがなければ。。。
1番の成功は「のん」のキャスティング。
彼女の柔らかい空気感が全体をフワッとさせて
尚且つ現代的でもあり
この作品を成功に導いている。天才。
アニメをしっかり描くところと崩した絵で描く箇所を入れたり
演出も面白い。特に爆弾で腕を失うシーンの無音と暗転と
落書きのような崩した演出も。
素晴らしい映画。
最後のテロップで
これがクラウドファウンディングで作られてることに驚いた。
やはりこれだけ良質な作品は
通常の映画制作の道筋では作れないのかしら?
(2016 日本)
スネークウェェェーイ!
総 合★★★★★★☆☆☆☆(6)
満足度★★★★★★★☆☆☆(7)
近未来SFの名作『ニューヨーク1997』の続編。
1981年制作の『ニューヨーク1997』の続編を
1996年に撮ったというので
もう続編というよりオマージュといった作品。
これが当時不評で
N.Y.1997ファンは大いにズッコケタ。
その後カート・ラッセル演じる
スネーク・プリスキンを語る上でも
あまり引用されない作品になった。
が、が、
今見返すとそんなに悪くない。
期待しすぎた故にコケルけど
時が経つと再評価される傾向にあるヤツ。
思えばストーン・ローゼズが
大ブレークした1STアルバムから
5年もの月日を空けてリリースしたセカンドアルバムは
失望と酷評の嵐だった。
でも時を経てみると今や名盤扱い。
これはそこまでではないにしろ
B級然としててなかなか面白いです。
スネークを楽しむパーティームービーといいますか。
オバカを全力シリアスで作りきるN.Y.1997パターンではなく
オマージュを楽しむ感じ。
悪くないです。
そしてダメダメな脚本であろうと
誰かが見ていて
こんな作品がジャッキー・ブラウンに繋がり
グラインドハウスに繋がったのかなぁと思うと
やり通すことが次代に繋がるのかなぁと考思います。
そして以下ネタバレではありますが・・・
スネークが最後に選択する
アメリカの敵国のエネルギーを無力化するではなく
全世界のエネルギーを無力化する
ワールドコード666は
究極のピースなのではないかと思います。
ゼイリブといい、
ファシズムや統制社会を憂う現代ヒッピーなのかなぁ
と思いました。